私達の生命の維持や成長に欠かせないタンパク質。そばはこのタンパク質が白米の約2倍含まれています。その上タンパク質中の必須アミノ酸の含有量とのバランスがすこぶる優れているのです。必須アミノ酸は体内で作ることが出来ず、必ず食物から摂取しなくてはならない大切な成分です。必須アミノ酸のうち、発育期に必要なリジンなどが白米の三倍近くあり、必須アミノ酸の豊かなことがそばの栄養価の優れた点の筆頭です。
そば粉にはビタミンB1も多く、その含有量は小麦の四倍もあります。ビタミンB1はでんぷんなどの糖質の代謝に必要なもので、したがって糖質を含む酒の後にも良いということになります。ビタミンB1は薬味として欠かせないネギに含まれている成分、アリル化合物と結合しやすく、これによってビタミンB1の吸収が促進されるといえます。伝統的なおいしい組合せには意味があるようです。そば粉には、高血圧や動脈硬化に良いとされるルチンが入っていることも知られています。ルチンは毛細血管の弾力性を保ち出血を防ぐ効果があります。貴重なルチンゆえ、そば湯を飲んだほうが良いでしょう。